「……え、もしかして」
そこで気づく。
「ここ、永禄…?」
一昨日夢で見たあの場所に、また私来ちゃったの…?
「え、どうしよう」
私は頭を抱えてどうしたらいいのか考える。
でも、すぐに気づいた。
「いや、ってことは、これは夢だ」
これは夢であるということに。
現実じゃない。
そう思って安堵した瞬間、障子がすっと開いた。
「ああ、起きておったか」
「佐江宗さん…」
私がそう呟くと、佐江宗さんはにっこり微笑む。
「おはようございます…」
寝起き姿を見られているのが恥ずかしくて、掛け布団を目元らへんまで上げると、佐江宗さんはゆっくり私のもとに近づいてきた。
そして私の前でしゃがみ込むと、妖艶な笑みを浮かべて、
「お主の寝姿をじっくり見ようと思っておったのに、残念じゃな」
と言った。
その瞬間、私は自分でも分かるくらい、ぼっと火が吹くように赤面した。


