すると、私のその声を聞いて、その綺麗な顔立ちの男が振り返った。
「……怪我をしているのか」
「あっ…みたいですね……」
恥ずかしくて、ははっと自嘲の笑みを浮かべると、彼はまた私に近づいて、手を差し伸べた。
「では、物陰まで連れて行こう。身を隠せば殺されることはないだろう」
私はゆっくりその手に向かって手を伸ばす。
すると、彼はぐっと強い力で私を立ち上がらせて、肩を支えながら木陰まで連れて行ってくれた。
そして私をゆっくり座らせると、自分が羽織っている上着を私の肩に掛けた。
「…これでいいだろう。……では」
彼はそう言うと、すぐに、走って戦場へ戻っていった。
「……ありがとうって言えなかったな」
私はぎゅっと、彼が掛けてくれた羽織を握りしめながら、その背中を眺めていた。
しばらくして、戦は終わり、どうやら青旗の方が勝ったみたいだった。


