「え、えっと……」
止めたのは良いものの、何を言えばいいのか分からず、言葉に詰まる。
私が戸惑っている間も、彼女たちは目を輝かせて私の言葉を待っている。
なんて答えればいいかも分からないし、できることなら彼女らの興味を逸らしたい。
そう思いながら視線を少し動かすと、
「あっ…」
そうだ、と名案を思い付き、彼女たちの顔を見て、にこっと微笑んだ。
「お、お着物!お着物見せてください!」
「はい…?」
思っていたのと反した私の言葉に、三人は首を傾げる。
ですよね、と私は苦笑い。
名案といっても、こんなので興味が逸れるわけがない。
でも、強行突破するしかない。
「あ!これ可愛い~!これも、綺麗な色ですよね。なんていう色でしたっけ?」
「山吹色ですが…」
「そうだ!山吹色だ!こっちの赤色も素敵ですね。どっちが似合うと思います??」
彼女たちが手に持っていた着物を奪うように手に取って、自分に合わせてそう一方的に話を進める。


