another world〜夢の中だけで逢う君との恋戦国〜




行く場所がないからって、お父さんにもっと反論すれば良かったかもしれない。

そうしたら、こんなに困ることなんて、なかったのに………。





その後、伊江宗さんは怒ったまま部屋を出ていってしまって、佐江宗さんが「あいつはいつもあんな風だから気にするな」と言いながら、私の挫いた足に包帯を巻いてくれた。


お父さんの提案で決まった結婚の形は、こういうものだった。

まず、子どもが出来た時どちらの子か分からないから、産まれてから十月十日前に夜を一緒にした方の子とすること。

そして、よりしっかりとどちらの子か分かるようにするために、私と一緒に寝るのは、2週間ごとで交代すること。

昼間も、できるだけ夜一緒に寝る方と過ごすこと。


それにあやかる様に、私が未来へ帰る方法を一緒に探してくれるのも、2週間ごとで交代になった。

そして最初の2週間は、佐江宗さんと一緒だ。