「んっ……」
頬に当たる草のような物体の痛痒さに目を覚ますと、
「えっ、あっ、わあっ………!!」
そこは森か林の頂上で、急な坂を木の間を縫いながら転がり出した。
「…いったあ……」
坂の一番下まで落ち、痛む体を頭を擦りながら起こす。
「どこよ、ここ……」
さっきまで、自室のベッドで寝ていたはずだよな、と考えながら辺りを見渡す。
「えっ………」
見えたのは、鎧を着た大量の人が戦っている場所。
それは、おばあちゃんの家で見るドラマの光景とそっくりで。
黄色の旗と青の旗が揺れている。
「「わあああーー!!」」
男達の野太い声が響き渡り、ガチャガチャという擦れた音と地面を蹴る音が次々と聞こえてくる。
これが夢なら、これがドラマの撮影現場なら、なんてリアルなんだろう。
なんて恐い光景だろう。
「ここ、本当にどこよ……」