私は何も言えず、しばらくの間沈黙が流れる。
「うーん…どうしたものか………あっ、」
お父さんが何か思いついたように手に持っていた扇子をパンッと叩く。
「そうじゃ!名案がある!」
その場にいた3人全員がお父さんを見る。
「お主、この佐江宗と伊江宗の子を産め」
「…………はっ?」
お父さんの提案に、私は驚きの声が漏れる。
佐江宗さんと伊江宗さんの子を産む?
どういうことだ?
「お父上?どういう意味ですか?」
佐江宗さんがそう問いただす。
伊江宗さんも何も言わないが、驚いているのは伝わってくる。
「お主をこの屋城においてやる条件として、佐江宗か伊江宗、どちらかの子を産むのじゃ。つまり、二人共と縁の契りを結んで、どちらかの跡取りを産めばよい」
「産めばよいって……」
何を言っているの?
というか、なんで跡取り?
なんで私?


