私を挟んで彼がそう言うと、もう一人の彼、どうやら私を助けてくれた伊江宗さんは、
「あんな場所に長居できるか」
と返した。
この顔の似ている二人は双子で、私を助けてくれたのは伊江宗さんで、でも私が勘違いしてお礼を言ったのは、えっと、佐江宗さん?で、佐江宗さんが私をお城まで連れてきた……ということらしい。
ということは…私はまだ……
「あっ、あの!伊江宗さん!」
私は右を向いて伊江宗さんの顔を見る。
彼も私の方を見やる。
「なんだ?」
「あの…!さきほどは、助けて頂き、ありがとうございました!」
私は勢い良く頭を下げた。
「……ああ、構わない」
彼はニコリともせず、腕を組んでまた前を向いた。
「伊江宗は照れ屋なのだ、気にしなくて良いぞ」
佐江宗さんがニコッと微笑んでそうフォローしてくれた。
「照れ屋などではない!」


