驚いて私は隣にいるはずの彼を見ると、確かにそこに彼はいる。
でも、障子の前にも、彼がいる。
同じ顔が、二つ。
「えっ、えっ、同じ顔……?」
私が何度も交互に見ていると、隣に座っている彼が私に微笑みながら、
「ああ、やはりそうか。」
と言った。
「お主、なぜ城にいる?」
障子の前に立つ彼が、私にそう問いながら近づいてくる。
私は混乱して何が何だか分からなかった。
「伊江宗、お主、彼女に羽織を渡しただろう?それを返しに儂のとこに来たのだよ」
「羽織?…ああ、渡したな」
「えっ、どういうことですか…?」
私の右隣にもう一人の彼が座ると、彼は私の顔をチラッと見た後すぐに前を向いた。
混乱する私に、左隣にいる彼が綺麗な笑顔で説明してくれる。
「お主を助けたのは、そこにいる双子の弟、伊江宗だよ。顔が似ているから、儂だと思ったのだな。お主が、戦が終わってすぐに帰るからだぞ」


