「どうしたの?お姉さん、お腹痛い?」


「ううん、違うよ、大丈夫だよ」


「お姉さんも、あっくんに会いたいよね?」


彼女の濁りのない声を聞いたら今までこらえていた、胸の中の熱いものが溢れだしそうになった。


「うん、お姉さんもあっくんに会いたいよ。凄く」


正直な言葉が零れだした。


私はきっと。


本当はずっと、彼に会いたかった。


「それ、本当に?」


まさか、この声は。


「えっ?」


懐かしい声がして振り返った瞬間、ポロッとひとしずくの涙がこぼれた。


その時私は奇跡のような光景を目の当たりにしたから。


「わーい、あっくんだ」


みうちゃんは嬉しそうに走っていきあっくんの足にしがみついた。
彼も優しく笑って、みうちゃんの頭を撫でる。


「メリークリスマス、みうちゃん、ようこそYADORIGIへ」


「あっくん」


「みうちゃん、元気だった?」


「うん、みうあっくんに会いたかったの。あっくん高い高いしてー」


「うーん、一回だけだよ。みうちゃんだいぶ大きくなったから」


「うんっ」