メーティスとホームズの子孫

何万人もの人が行き交う大都市のロンドンで、透は偶然にも医師と看護師に出会えた運命に神様に感謝した。

和香とジョンの家がベーカー街にあると聞き、透は「もしかしてお二人は恋人ですか?」と質問すると、二人は顔を真っ赤にしながら否定する。

「まだね、まだ恋人じゃないんだ!!」

「ワトソン先生は私の上司です!!」

そして、二人の他にもう一人同居人がいることを話してくれた。

「たぶん今はいないと思うよ。仕事でね」

ジョンはそう言いながら、「ここが僕たちの家です」とベーカー街221Bに透と美咲、そして玲奈を案内する。綺麗に片付けられたリビングのソファに玲奈を透は寝かせた。

「和香、往診用のかばんを取って」

「はい、わかりました」

ジョンは真面目な顔になり、玲奈を診察し始める。和香もジョンのサポートをし、素早くかつ丁寧な診察が行われていく。

「あの!あたしも看護師です。何かお手伝いできることは……」