骨董品を見ていた二人はゆっくり透の方を向く。美咲は「そうだよね〜……。ホテルにチェックインしてからまた来ようかな」と言い財布をかばんの中に入れる。しかし、玲奈は違った。
「えっ?荷物は全て透が持ってくれるんじゃないの?」
「いやいや、勝手に決めんな!!しかもお前の買ったものだろ!!」
重そうな骨董品など持ちたくなく、透は首を横に振る。しかし、玲奈は「紳士は淑女を助けるものでしょ」と言う。
「お前が淑女だったら由緒正しき淑女が怒るわ」
「なら、透も紳士ではないわね」
そんなことを笑い合いながら言う。喧嘩のような会話をよくするため、ちょっとした悪口は笑って流せるのだ。
「まあ、透がそんなに言うならやめておきましょう。別の観光地に行きましょうか」
玲奈がそう言ってくれたことに透はホッとする。玲奈はゆっくり歩き出したのだが、不意に立ち止まり頭を押さえた。
「玲奈?」
透と美咲は同時に訊ねる。玲奈は顔をしかめていた。そして、そのままふらりと前に倒れる。
「えっ?荷物は全て透が持ってくれるんじゃないの?」
「いやいや、勝手に決めんな!!しかもお前の買ったものだろ!!」
重そうな骨董品など持ちたくなく、透は首を横に振る。しかし、玲奈は「紳士は淑女を助けるものでしょ」と言う。
「お前が淑女だったら由緒正しき淑女が怒るわ」
「なら、透も紳士ではないわね」
そんなことを笑い合いながら言う。喧嘩のような会話をよくするため、ちょっとした悪口は笑って流せるのだ。
「まあ、透がそんなに言うならやめておきましょう。別の観光地に行きましょうか」
玲奈がそう言ってくれたことに透はホッとする。玲奈はゆっくり歩き出したのだが、不意に立ち止まり頭を押さえた。
「玲奈?」
透と美咲は同時に訊ねる。玲奈は顔をしかめていた。そして、そのままふらりと前に倒れる。


