「お願い!!!」

「え〜」

私『花原莉乃(はなばらりの)』は、今友達の『川見優(かわみゆう)』からお願いをされている。それは……

「本当にお願い!莉乃がBARとかそういう場所が苦手なのは知ってる!でもさすがに私1人に男の人2人は無理なの!」

「うーん……」

優は他の女友達と男2人でBARで飲む約束をしていたらしい。まぁ、合コン的な感じ。
それで、今日その予定の日なんだけど、一緒に行く予定の子が熱出て行けなくなったから今私が誘われてるって事なんだけど

「私喋れないし、行っても馴染めないと思うんだけど?」

私はBARとかそういう場所が苦手……。
しかも男の人がいるなんてもっと無理

優はどちらかと言うとみんなとワイワイして騒ぐ様な子だけど、私は遠くから見てるか、関わりたくないと思ってその場から立ち去る様な子。

優とは性格が真逆に近い。

それでも、仲は良くて一緒にいる時間が結構長い。だから、こうやって今お願いされてるんだけど……

「いてくれるだけでいいから!とりあえず私の恋の応援を!」

「あー来るんだっけ?和樹くん?」

「そう!今日こそ連絡先GETするの!」

和樹くんってのは、今日熱出した優の友達の知り合いの人。そして今、優が気になってる人でもある。


優が友達と遊んでる時にたまたま会って、一目惚れをしたらしい。

優は本当に惚れやすい。

それに変わって私は全然好きな人なんてできない。できないっていうか、作りたくない。

傷つくのはどうせ自分だから……

「莉乃?」

「あ、ごめんごめん」

「だから、一生のお願い!!」

「…わかった。」

「ほんとに!?ありがとう〜〜〜」

「はぁ……」