そして高瀬の目を見つめた。
やばい、高瀬に見透かされてる。
なにも考えてなさそうに見えて、意外と周りを見てるんだ?
「あいつのことを想ってるとき、たまちゃんはいつもツラそうな顔してる」
「…………」
そんなに顔に出てた?
「俺だったら、そんな顔させないのに」
やけに真剣な目で見つめ返されて、鼓動が弾んだ。
慰めてくれてるだけだよね?
うん、絶対そう。
どう返せばいいかわからず黙り込んでいると、高瀬はスッと目を細めた。
コロコロ変わる表情。高瀬の笑顔を見るとホッとする。
ああ、やっぱり冗談だったんだってそう思えるから。
「あ、そうだ。アメ食べる?」
え、アメ?
なに、いきなり。
「はい、あーん」
その声につられて口を開けると、コロンとした丸いのが入ってきた。
「ん、甘い」
いちごの味がする。
口を閉じたら高瀬の指が唇に当たった。
「あ、ごめん」
「いいよ」
驚いた様子もなく高瀬は何事もないように笑ってる。
指をなかなか離そうとしないから、ちょっと焦って高瀬を見る。
「美味しい?」
「え?」
ドキッ。
美味しいって、アメが……だよね?
「……うん」
「よかった」
なにが?