「真っ赤。かわいい」
「や、めて……っ。変なこと、言わないで」
「意識しちゃう?」
「…………」
「わざとだよ? って言ったら、どうする?」
「なに言ってるの。からかわないで」
だって、高瀬だもん。
自分の中でそう線引きしなきゃやってられない。
西河が好きなはずなのに、チョロすぎる自分ほんとなんなの。
自分のことなのに理解できないよ。
「さ、さぁ、そろそろ教室に戻ろっか」
勢いよく起き上がって高瀬に背を向ける。
手で制服をサッと整えて振り返ると、高瀬も立ち上がった。
「行こっ、たまちゃん」
「うん……」
あまりにもあっさりしてるから、やっぱり冗談だったんだってホッと胸を撫で下ろす。



