ほんとわけわかんない、こういうとこ。
『顔、ケガしてないみたいでよかった』
『え……?』
『昨日顔から思いっきり転けてたし、少し擦りむけてたからどうかなと思ってたんだ』
『あ、そう』
そういうことね。
真面目に俺のケガの具合いとか体調を気遣ってくれたりなんかして。
やっぱり狙ってる?
『環、先行ってるよ』
『あ、待って。穂波! 西河も! じゃあね、高瀬くん!』
あっさり、きっぱり、さっぱり。
たまちゃんは俺に未練なんて少しもないって顔で手を振り、ふたりの元へ駆けていった。
弾むような足取りでごく自然に西河の隣に並ぶたまちゃん。
嬉しそうにほころぶ横顔。
やっぱ、俺のときとは全然ちがう。
それを見て疎い俺でもすぐにわかった。
ふーん……。
そっか。
そういうこと。
*゜*・。.。・*゜*・。.。・*゜*・。.。・