カウンターの椅子に力なく座り、うなだれる。

まさか、こんな形で失恋するなんて夢にも思わなかった。

「はぁ」

完全にやる気失くしちゃったなぁ。

穂波はとっても美人で、いわば高嶺の花のような存在。

だけどすごく優しくて、一緒に並ぶと引け目を感じるほどすべてが完璧な女の子。

西河は爽やか系のイケメン男子で、サッカー部に所属している。

友達が多く、リーダーシップもあって先生からの人望も厚い。

目立つふたりは学校中の注目の的。

愛嬌があって美人な穂波と、包容力があって穏やかな西河。

「お似合い、だよね……」

ふたりは入り込む隙なんてないほど、想い合ってる感じだった。

わたしと西河じゃ違和感しかないけど……。

穂波と西河だったら、やっぱりね、ほらねってみんなもすんなり認めてしまうほどお似合い。