腰に回った高瀬の手がブレザーのボタンを外して、セーターとカッターシャツの下から素肌に触れてくる。

「あの、高瀬……」

なに平然とお肌を触ってくれちゃってるの……?

恥ずかしくて、くすぐったくて。

脇腹に移動していく高瀬の手をとっさにつかんだ。

熱い、ものすごく。

体の奥がじんじんして変になりそう。

「べ、勉強しなきゃ……!」

「勉強ね。どうぞ」

「へっ?」

「やって? 後ろからチェックしとくから」

だからこの手をどけてくれないかな?

グググッと力を入れて押しのけようとする。

だけど力では敵わなくて、今度は逆にその手に指を絡められた。

「ねぇ高瀬」

「んー?」

「は、恥ずかしいよ……っ」

「そ?」

なんて余裕たっぷりな返事。

なんかいろいろやばい。

弄ばれてる。

「たまちゃんは俺の彼女だってちゃんとわかった?」

「……っ」

「わかった?」

「……うん」

「じゃあよろしい」

全然よろしくない。

そのあとも高瀬に触れられたところが熱くて、まったく勉強に身が入らなくて。

「耳まで真っ赤」

からかわれて、クスッと笑われて、それでまたドキッとして。

ふたりきりの空間で、あんなことが起こったあとにとてもじゃないけど……。

普通に振る舞えない。