無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。


「えー、彼氏がかわいそう」

「あはは、冗談だって。でもさ、高瀬くんって御曹司だし付き合ったら色々奢ってもらえそうじゃない? 実際に高瀬くんと遊んでた子が自慢してたの聞いたことある」

「なにそれ、興味ない」

聞きたくない、知りたくない。

「狙ってる子めちゃくちゃ多いよ。でも高瀬くんって特定の彼女作らないっぽいし、本気で落とすのは難しそうだよね」

「べつに落としたいとは思わないからいいよ」

「もう、環ってば〜! そんなこと言ったら女子みんなを敵に回すよ〜?」

「なんでそこまで人気があるのか、わたしにはわからないね」

「つれないなぁ、もう。あ! そういえば職員室に呼ばれてたんだ。ごめん、環。先に行ってて〜!」

「一緒に行こうか?」

「ううん、席なくなっちゃうから確保お願い」

職員室の前で美保とわかれて、ひとりでいざ食堂へ。

昼休みの食堂はたくさんの人で賑わうから、いつも席確保に必死。

急がなきゃ。