「罠ってひどい言い草だね」
「……っ」
恥ずかしくてたまらない。
まさかこんな日がくるなんて。
「ま、でも、なんでもいーや」
スッと立ち上がった高瀬の腕に再び包まれる。
「たまちゃんが俺を見てくれるなら、なんでもいい。すげー嬉しいから」
「う……っ」
顔が近づいてきて、チュッと触れるだけの軽いキスが落とされた。
「……っ」
慣れないわたしはオロオロするばかり。
それを見てクスッと笑う高瀬は、もういつもの調子を取り戻している。
「俺でいっぱいいっぱいになってる顔、もっと見せてよ」
「へっ!?」
「かわいい顔、もっと見たいって言ってんの」
かわいい、顔……?
顎をクイッと持ち上げられて、上を向かされる。
整った高瀬の顔は、とても強気で余裕たっぷり。
ずるい、こういう顔。
「た、かせ……」
唇が触れるすれすれの位置まで体を屈めて、まっすぐな目で見つめられた。
触れそうで触れない唇が、すごくもどかしい。
「なに? キスしてほしいの?」
「い、イジワル……」
そうだよ。
早くくっつかないかなって……。
わたし、そんなふうに思ってる。
好きがあふれ出して、もっともっとくっつきたいって。



