そんなふうに迫られたら、頷く以外選択肢はないわけで。

もうここまできたら、素直にならなきゃ……。

「わ、わたしも、高瀬が……好きっ」

口にした途端、なにかが胸の中で弾けた。

「す、好きだから、真理ちゃんに嫉妬してたんだもん。クリスマス誘われてるの見て、一緒に過ごすのかなって……そう思ったらツラくて」

「へっ……!?」

ピシッとまるで化石のように固まる高瀬。

「い、今、なんて……? なんて言った?」

「す、好きって……嫉妬したって言った」

「も、もう一回、もう一回言って?」

恥ずかしいセリフをもう一回言えって……?

さっきもかなり勇気出したのに。

「お願い!」

「す、好き」

「聞こえない」

「好き……」

「まったく聞こえない」

「す、好き……!」

絶対聞こえてるくせに、イジワル。

「やばい……」

フラフラとおぼつかない足取りで高瀬はわたしの体を離した。

「た、高瀬……?」

な、なに?

なんなの、その反応。

ズルズルと力なくその場にしゃがんで、膝の間に顔を埋めて。

「は、はは……」

わけのわからない言葉をつぶやく。

「具合いでも悪いの?」

「いやいや、なんでそうなるの」

「だって急にしゃがむから……」

そこまで言って気がついた。

高瀬の耳が真っ赤だってことに。

フイッと持ち上がった顔もものすごく真っ赤で。

ああ、そっか。

照れてるんだ……。

そうだと知ってしまったら、ボボンッとわたしの顔まで火がついたように熱くなった。

「まさかたまちゃんが俺を……」

「まんまと高瀬の罠にハマっちゃった……」