無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。


体操服から制服に着替えて教室に戻る途中で、美保がニヤニヤしながら見つめてきた。

「ねぇねぇ、環。さっきのこと、詳しく聞かせてよ」

「な、なにもないってば」

「そんなはずないでしょ。保健室から戻ってきたふたり、明らかにギクシャクして様子が変だったもん」

「……っ」

うっ。

「ほーら、今すぐ全部吐いちゃいなって。美保チャンが相談に乗ってあげる」

美保のからかう声から逃げていたら、自販機のところで男子数人と飲み物を買ってる高瀬を見つけた。

無邪気に笑って楽しそう。

「あー。あーんなところに高瀬くん発見! あたしも飲み物買おうかな〜?」

美保め……。

「わ、わたし先に戻ってるからね」

「ダメだよ、環がいなきゃ意味ないじゃん。高瀬くんと絡みたいくせに〜!」

にんまり笑われて、美保の思惑通りに行動してるわたし。

自販機に近づいて行くと、バタバタバタと後ろから走ってきた女子の集団に追い越された。

「高瀬く〜ん! お疲れさま〜!」

かわいくて目立つ部類のおしゃれな女子たち。