その手が頬に触れたとき、ビックリするほど指先が冷たくて。
「ねぇ、ほんとは寒いんでしょ?」
「へーき」
「うそ、震えてるよ?」
「あ、マジ?」
バレちゃったって顔して苦笑する高瀬。
触れられてる頬を意識しないようにしていても、そんな顔を見せられたら。
胸がキュンと疼いて、ボッと顔が熱くなる。
「か、返すよ」
「俺は男だからへーきなの」
「そう……?」
「そんなに心配なら、たまちゃんが温めてよ」
「へっ?」
あたた、める……?
どうやって?
「ギュッとして?」
「!?」
わたしに向かって両手を広げ、ギュッとされるのを待ってる高瀬。
「へ、いや、あの」
む、無理。
どう考えても、無理。
「早くしてくれなきゃ寒すぎて死んじゃうかも」
「は、はぁ? さっき大丈夫だって言ったじゃん」
「急激に寒くなってきたの」
そう言いながらクスッと笑う高瀬。
わざとだ、絶対に。
「い、イジワル……」
わたしのこと、からかってるんだ。



