無気力な高瀬くんの本気の愛が重すぎる。


わかってたことだけど、こんなに差があるなんて驚きだ。

──ドキン

ジャージには高瀬の温もりが残っていて、なんだか抱きしめられているような気分。

「やっべ……」

後ろから聞こえたちょっと余裕のなさそうな声にゆっくり振り返る。

「たまちゃんが俺のジャージ着てるとか」

そう言いながら口元を手で覆う高瀬の顔は、真っ赤になっていた。

貸してくれたのは高瀬だよ……?

それなのに、やばい……?

んんっ?

どういうこと?

「そんな姿見せられたら、俺の方がいっぱいになる」

なにを言われているのか全然わからなくて、瞬きを繰り返す。

「たまちゃんのことしか考えられないよ」

え……?

「マジで俺の心臓壊す気?」

「えと……あの?」

首をかしげて見せたら、ますます顔を赤くして。

どんどん高瀬がわからなくなっていく。

「かわいすぎるって言ってんの」

「へっ……!?」

か、かわい、すぎる……?

「無自覚かよ」

いつもは優しい口調なのに乱暴で。

あれ?

前にもこんな姿見たことあるような……。

そんなことを思っていたら、頭をクシャッと撫でられた。