「きゃあぁぁ! 高瀬くーん!」

「超カッコいい〜!」

「こっち向いて〜! ポーズ決めて〜!」

体育館でバスケットコートの中を自由自在に動き回る高瀬に浴びせられる、たくさんの歓声。

体育館の隅っこで三角座りをしながら、高瀬をぼんやり目で追っていた。

「たーまき。高瀬くんのこと見てるの?」

「ち、がう」

ブンブンと大きく首を横に振って、美保に向かって微笑みかける。

以前にも増して、高瀬のことしか見えなくなってる。

「バレバレだよ。赤くなっちゃって、かわいいなぁもう」

「う、ううっ……美保ぉ」

「よしよし、あれは惚れるね。バスケうますぎるもんね」

そうなの、すごくうますぎる。

さっきからひとりでバンバンシュートを決めて、全力でボールを追いかけてる。

キリッとした横顔とか、シュートを外したときの照れ顔とか、シュートが決まったときの弾けるような笑顔とか。

一瞬で目を奪われて、釘付け。