「な、なにそれ……っ」
で、ですよね。
穂波ならそんな反応だと思ったよ。
「あたしの環に軽々しく手を出してくれちゃって……許せないよ!」
「ほ、穂波?」
なんだか怒ってる?
ものすごく。
握り拳を作ってメラメラと闘志を燃やしている姿は、なんだか頼もしい。
「よしっ、決めた。あたしが高瀬くんを見極めてあげる。こうなったら、ダブルデートしよっ!」
「へっ?」
ダブル、デート?
「ただし、あたしたち三人でね」
「え、いや、あの。三人っておかしいでしょ?」
見極めるもなにも、わたしは高瀬のことなんてなんとも思っていないわけで。
一緒に出かけてまで穂波が高瀬を見極める必要なんかないのに。
それでも一向に引かない穂波の根性に、最後にはしぶしぶわたしが折れた。
「じゃあ西河も誘ってみたら? ほら、三人だとちょっとバランス的におかしいしさ。わたしなら大丈夫だから」
穂波が三人でと口にしたのは、きっとわたしのことを気遣ってくれたからで。
「今ではふたりのこと応援してるんだからね!」
「た、環〜……大好きぃぃ!」
「ふふ、わたしも」