「あ、おい! リオ!」

教室に着くと真っ先に権ちゃんが走ってきた。

合コンのあとに連絡がきたけど、スルーして今日にいたる。

「お前〜! 合コンに乗り込んでくるとか正気かよ。詳しい場所聞いてきて、なにかと思ってはいたけど……!」

「あー……、ね。お疲れさん」

「お、ま、え、悪いと思ってないだろー?」

涙目で明らかにガックリ肩を落とす権ちゃん。

「なに? 俺、そんなに恨まれるようなことした?」

「した! お前が乗り込んできたあと、いい感じだった女の子がリオの勇姿見て『カッコいい!』って……! いなくなったあとも、ずっとお前の話ばっか……! なんであの一瞬で、お前が全部持ってっちゃうんだよ〜……!」

「ドンマイ、権ちゃん」

泣き真似をする権ちゃんの肩をポンと叩く。

「俺の初彼女の夢が〜……!」

そんなに彼女がほしいのか。