「泣かないで。わたしはただ、勝手に傷ついて、穂波を避けてた……顔を見るのがツラかったんだ。ごめんね」

穂波がわたしの肩に顔を埋めながら大きく首を振る。

「あたしこそっ、どうして環の気持ちを考えられなかったんだろうって……浮かれて、報告なんかして……ごめん、なさい」

「あはは、穂波はそればっか……」

切なげな声を聞いてたら、涙腺がゆるんで涙がにじんだ。

中学のときはいつでもどんなときでも一緒にいたわたしたち。

穂波といると楽しくて、毎日笑ってた。

どんなときでも笑顔を絶やさず、明るく前向きな穂波が大好きだった。

その気持ちは今も変わってない。

「あたし、環のこと誤解してた。どんなときでも強くて、そっとあたしを見守ってくれてるタイプの子だと思ってたけど……恋する普通の女の子だったんだね」

そう言いながらそっと涙を拭った穂波は、もう泣いてはいなかった。

それを見てホッとする。

「あは、なにそれ……っ」

「環の気持ち、全然わからなかった……無神経なことしてほんと、あたしってバカだ……」

「そんなことないよ。わたしもさ、言えなかったんだし……」

西河が好きだって。