私を包み込む春の手が、声が震えている。 春も辛いんだ。 私だけじゃないんだ。 青年を無視してさっきまで1人で泣いていた事をひどく後悔した。 誰よりも泣きたいのは、きっと春の方なのに。 思い切って、彼の震える手を自分の手で包み返した。