しゅうくんが私の背後に回り込み、私のセーターの袖をまくる。


うわわわ...。


ち、ち、ちかいっ。


心臓がバクバク言って手が小刻みに揺れ、皿洗いどころじゃない。


微動だにしたら皿を割ってしまいそうだ。



「これでもう大丈夫。洗い終わった食器はオレが拭いて戻しておくから、さーやちゃんは部屋に戻って休んでいいよ」


「いや、でもしゅうくんはテスト勉強...」


「テストは昨日で終わったよ」


「あっ、そっか...」


「さーやちゃんのちょっと抜けてるとこ、可愛いよ」



か、か、可愛い...。


なんか、最近しゅうくんに可愛いってダイレクトに言われること多くないですか?


可愛いのシャワーを浴びて体温上がりまくりで、今すぐ倒れて緊急搬送されそうなのですが...。


冬場に熱中症はヤバイよ。



「さーやちゃん?」


「あっ、はいっ。じゃあ、よろしくお願いしますっ」


「久々の敬語...」


「あっ、ごめん...」


「ふふっ。ほんと可愛い」



また可愛いって言われた。


言われる度に心臓がバクバクする。


こんなに動揺しまくりで私本当に大丈夫かな。


ちゃんと1日しゅうくんの隣に並んで歩けるだろうか。


今から不安は尽きませぬ。