もう寝ようと思ってきた矢先に、携帯の通知音が響いた。

スケジュールアプリの通知だ。

明日に予定なんか入れていたっけ、そう思いながら開くと、

「唯斗 誕生日」



とだけ書かれていた。

そうか、貴方の誕生日からもう1年経ったのか。

なんて考えて、無意識に彼へのメッセージを打ち出していた。

もう忘れなければいけない。
私には彼氏がいる。



そう思いながらも、文字を打つ手は止まらない。

誕生日くらいは、許してください神様。
ごめんなさい。僚太。


0時ぴったりに送るのはさすがに気が引けたので、日付が変わった30分後に、彼のLINEにお祝いのメッセージを送った。



返信はいらない、と添えて。