たとえばあなたのその目やその手とか~不釣り合すぎる恋の行方~

思いの他その男性の睨む目に迫力があり、口を閉じたままごくりと唾の飲み込んだ。

思わず目を逸らしそうになったけれど必死に堪える。

男性の横にいる女性は今にも涙がこぼれそうな目で私に助けを乞うように見つめていた。

「てめぇ、何だ?関係ない奴がしゃしゃり出てくるなよ」

声を殺してはいたけれど、その語調には相手を威圧する凄味がある。

「困ってる人を見つけたら放っておけないだけです」

言いながら語尾が震えた。

「あん?お嬢ちゃん、いい度胸してんな。外で話そうか」

にやついた口元を舌で舐めると、自分の顎を上げ外に出ろと私に促すような仕草をし男性は立ち上がった。

ど、どうしよう。

男性はバーテンダーにカードらしきもので支払いを済ませると、「女は置いていく」と言って先に店を出ていった。

横で震えている女性は「すみません、私は大丈夫ですから」と私に何度も頭を下げる。

「大丈夫じゃないですよ。今のうちにバーテンダーさんに助けを求めて下さい」

正直私も大丈夫じゃないよな、なんて思いながらもなんとか笑顔を作り、急いでアップルタイザーの清算を済ませ男性の後に続いた。

一体全体、このバーは何なの?

ここに来ると何かが起こるんですけど!

ドキドキしている胸を押さえ階段をゆっくり踏みしめながら上がっていった。