本当にいいの?

長いキスが終わり、彼の唇がそっと離れた。

私の答えはもちろん決まってはいたけれど、一つだけ、最後にどうしても確認しておかなくちゃいけないことがある。

「私なんかと結婚したら、更にリスクが増えてしまうかもしれませんが」

彼はそっと私の前髪をかき上げると微笑んだ。

「都を失うことに比べたら、どんなリスクも大したことない。お前のリスクも全て俺が引き受けてやる」

彼の顔が再びゆっくりと近づいてくる。

「お前がリスク以上に大切なものがあることを俺に思い出させてくれた。俺の人生に必要なんだよ、都が」

彼の額が私の額にこつんと当たった。

「もっと言おうか?どれだけ都が俺にとって大切で必要なのかってこと」

「もう十分です。こんなに幸せになれる言葉がこの世に存在するなんて思いもしなかった……こんな私ですが、よろしくお願いします」

「素直でよろしい」

そう言った彼は私をしっかりとその胸に抱きしめた。

暖かい。

彼となら、この先どんな道が続いていたって乗り越えていける。

目をつむり、彼の背中をしっかりと抱き留めた。

暖かく満たされた気持ち。

幸せだった。幸せが怖いなんて思わないくらいに。