23.幸せな言葉

『今から会えるか?』

それは突然の彼からの電話だった。

え?今からって……。

リビングの時計に目をやると、もう二十三時を少し回っていた。

しかもまだ月曜だ。

その上に、今日はようやく発行され話題沸騰の【JOB♡JHOSHI】の対応や、太東出版からの圧力、【月刊MOOM】の取材依頼やらで頭がパンクしている。

ようやくホットミルクを飲みながら、今宵の幕を下ろそうとしていたまさにそんな時だった。

「今からですか?」

『ああ。迎えに行く』

まぁ、どちらかといえば強引な面はあるけれど、こんな夜更けにいきなり会えるか?は今までにはなかった。

かといって、私が会いたくないかと言われればもちろん今すぐにだって会いたい。

日々仕事に追われる礼さんだから、なかなかゆっくり会う機会もないもの。

「用意して待っています」

『ニ十分ほどで着く』

そんなに早く着くってことは自宅からではないわね。

遅くまで打ち合わせか飲みにでも行ってたのかな。

すっぴんの顔の上に眉を書き、口紅を差した。

部屋着を脱ぐと、とりあえずジーンズと白いTシャツに着替える。

鏡に映る自分を見ながら色気ゼロだなと思いつつ、頭が思うように回らないのでとりあえず今日はこの恰好であきらめることにした。

全ての用意が整ったところで礼さんからアパートの下に着いたと連絡が入る。