18.幸せすぎて怖い

編集部の皆で何度も校正した彼の原稿は、ようやく校了にまでこぎつける。

あとは印刷そして製本され本屋に並ぶだけだ。

四ページ枠の原稿なんて初めてだったけれど、山根さんや坂東さんからアドバイスをもらいながらなんとか書き上げ、皆のチェックで仕上がった。

だから今回は彼の記事の担当は私だったけれど、編集部皆で作り上げた記事だと思っている。こんなにも皆が一心に一つの記事に取り組んだことはなかったんじゃないかしら。

彼は「俺のことよく書きすぎじゃないか」と照れながらも、私たちの彼への細かい配慮は通じていたらしく、最後は「全て都に任せる。編集部皆によろしく伝えてくれ」とメールが来ていた。

そして、内容に関する彼からの苦言や修正は一切なかった。

それが一層編集部皆の校正の原動力になったのは言うまでもない。失敗は許されないという緊張感が最後まで保たれたのは彼の私達への厚い信頼を感じたから。