俺は小さな少年のような彼女を自分の胸に強く抱きしめた。

その後のことなど考える余裕もなく、ただ、泣いてる彼女を放っておけなかったんだ。

抱きしめると、思っていた以上に華奢な彼女の体が俺の胸に溶け込んでいくような感覚があった。

無防備すぎるほど無防備なくせに、芯だけは燃え滾るほどに熱い。

少年のような姿をしているのに、少女のように幼くかよわい。

俺の胸の中で「すみません」と小さく呟いた彼女の声を聞いた時、俺はどうしようもなく切ない気持ちになりさらに強く抱きしめた。

どうしてそんな風にいつも強がるんだ?

「甘えたい時は甘えればいい」

思わずそんな言葉が口をついて出てきた。

高まる鼓動はもう押さえられない。

こんな気持ちになったのはいつ以来だろう。

誰かを愛することは、それだけで仕事へのリスクが高まるとずっと遠ざけていた。

会社を守り、社員の生活を守るには、俺には不必要な存在とさえ思っていたのに。

俺はもしかして、この藤都をそんな対象に見てるということか??

まさかだろ?

俺の動揺がマックスになった瞬間、彼女の体の重みが完全に俺の胸にゆだねられたような感覚になる。

そして、「スースー」と寝息のような音が彼女の方から聞こえてきた。

そっと視線を落とすと、あいつは完全に俺の胸の中で寝ていた。