記憶を失ったキミに、100本の薔薇を。






――七奈に、何かあったんだ……。







俺はひと目で察した。







俺は凛花の元へ駆け寄る。







「大原……、七奈は……?」








「昼休み前の授業終わりの挨拶で、七奈起立した瞬間倒れてさ……。ガタンッ、って音とともに私が後ろ振り返ったら、七奈、青白い顔で倒れてて……」








「今どこいんの?」








「今保健室にいてさ……」







やっぱりな。





「ったくあいつは……。なんでそこまで無理するかな……」









俺は後頭部を掻きつつ言った。








「七奈、少し無理するところあるのかも……。心配かけたくないから、そうやって無理して……」










「無理にも程があんだろ……」







俺は深いため息をつく。









「逆に心配すんだろ……。頭痛いときはさっさと保健室行けっての……」









「私もそう思ったけど……、七奈、絶対行かないって首横に振るだろうし……」