記憶を失ったキミに、100本の薔薇を。






「よぉ、和真ー」







いつも通りの親友の声が、今では悪魔のような声にしか聞こえない。







「おい、どうしたんだよ?そんな青ざめた顔してよぉ?何かあったのか?……もしや、お前のカノぴっぴちゃんから振られたの?ん?」







「うっせぇ黙れよ!今それどころじゃねぇんだよ!お前らには分かんねえかも知んねえけど、七奈が今危ねぇんだ!」







大声で言ってしまったから、親友達は、俺がおかしくなったみたいな顔をして、ブツブツとものを言いながら、俺の席から離れていく。







親友が減ったとか、そんなことを思いつつ、今はそれどころでは無い、七奈のことが心配だ、と思い、俺は机に突っ伏してしまった。







――七奈、頼むから死ぬなんて事ないようにしろよ……?







俺はそう思いつつ、死ぬのかもしれないと変に思ってしまって、もうダメだとまで思ってしまった。