記憶を失ったキミに、100本の薔薇を。



俺は2歩程度後ずさりした。






「……和真くん……、七奈、行ける状態だと思う……?こんなに痛がってて、歩くのもままならないかもしれないのに……」






凛花の言葉で、俺ははっ、とまた我に返った。






「じゃあ……、俺はどうすればいい?」





凛花は、言葉を噤んで、さすり続けながら俯いた。






「……様子を見るしかないかもしれない……」






少しして、凛花が口を開いてそう言った。






「七奈……、少し頭痛が落ち着いてから保健室行こう……?ね……?」






七奈にそう言い聞かせるように優しく言葉を投げかけた。






七奈はこくんと頷く。






「……だから、和真くん、保健室行く時は声かけるから待ってて欲しいんだ……。お願い……」