すぐさま視線を逸らした蒼が、『どういうこと』と言うから説明した。



「逃がそうと思って、窓開けて…
脅かそうと地団駄踏んでたら、裸足でふ、踏んづけちゃった……」



自分でも見たくない姿を蒼に向けてると、蒼がまた『おぇっ』と気持ち悪そうな声を出して。



「バカやめろこっち向けんな!」



『早く窓から外に出せ!』と窓の方を指さして、蒼は部屋を出て行ってしまった。


……私も気持ち悪いんだから、ちょっとくらい助けてくれても…!



窓の方まで歩いて外に足を出し、そのグロテスクな姿を落とそうとプラプラと足を揺らす。


黒い物体が足から離れると、安心でまたペタンと座り込んだ。



……う、でもまだ足に気持ち悪いのが残ってる。


ちょっぴり涙目になっていたら、背後から「柚」って声が聞こえた。



「足出せ」