好きになってはいけません。




携帯をいじりながら『なんだよ』と続ける蒼に、おそるおそる聞いてみた。



「約束の時間は過ぎてるけど…
何分の電車乗るの?」


「電車?乗らねーよ。
ここまで友樹(ゆうき)のお兄さんが迎えに来てくれるから」



『わかりやすいとこに集合した方がいいと思って駅にしただけ』と蒼が説明してくれた。


その、友樹くんっていうのが、誘ってくれたっていう蒼の友達ね。


私が勝手に納得していると、話を聞いていた芽依が『え!!!』と声をあげた。



「ゆ、友樹くん…いるの?」


「アイツの誘いだからな」


「マジか…」



さっきまで笑顔だった芽依が、急にげっそりする。


どうしたんだろ?と思っていたら、目の前に車が1台とまった。