横目で見下すように睨まれて、思わず肩をすくめた。
……あ、私、また蒼の恨み買っちゃった?
マズいな、と思いながらも、明らかに不機嫌になってしまった蒼に話しかける勇気もなくて。
駅までの道のりは、無言だった。
*
「柚、蒼くん、おはよー」
「芽依、おはよう」
無言を破ったのは、もうすでに駅で待っていた芽依。
助かった…。
空気に殺されるとこだった(横からくる不機嫌オーラがすごかった)。
ここからは極力、蒼と二人きりにならないようにしなくちゃ。
駅の時計にチラッと視線を向けると、
約束してた時間より少し過ぎてる。
……あれ?
電車の時間とか、大丈夫なのかな…?
「……蒼」
「あ?」
う…まだ機嫌悪い…。



