好きになってはいけません。




横目で見下すように睨まれて、思わず肩をすくめた。



……あ、私、また蒼の恨み買っちゃった?


マズいな、と思いながらも、明らかに不機嫌になってしまった蒼に話しかける勇気もなくて。


駅までの道のりは、無言だった。













「柚、蒼くん、おはよー」


「芽依、おはよう」



無言を破ったのは、もうすでに駅で待っていた芽依。


助かった…。


空気に殺されるとこだった(横からくる不機嫌オーラがすごかった)。


ここからは極力、蒼と二人きりにならないようにしなくちゃ。



駅の時計にチラッと視線を向けると、


約束してた時間より少し過ぎてる。


……あれ?


電車の時間とか、大丈夫なのかな…?



「……蒼」


「あ?」



う…まだ機嫌悪い…。