懐も小さい男だ、なんて思って歩いていると
ボスっとカバンをぶつけてきた。
「いたっ!!
なに!?」
「悪かったな、小さくて頼りなくて」
「そういうとこで拗ねるのも小さいんだってば」
「……おー、両手塞がってなかったらブン殴るとこだった」
どうやら私の言葉が気に障ったらしく、そんな恐ろしいことを言いながらわざとらしい笑顔を浮かべる。
笑顔とは裏腹に、青筋がたってますけどね。
「拗ねないでよ」
「拗ねてねーよ」
両手が塞がってるのをいいことに好き勝手言う私に、
蒼がチッと舌打ちするのが聞こえた。
「マジで生意気」



