私の返事も聞かず、私が持っていた大きなカバンを取り上げる。
「いいよ、重いし!」
「重いからだろ。
こういうのは男が持つんだよ」
……自分も荷物多いはずなのに、私のも持ったら結構しんどいと思うけどなぁ。
「……蒼、細いから無理しなくていいよ」
「細いイコール力ねぇと思うなよ。
ていうかそんなに細いつもりないけど」
「細いじゃん。
クマくんはもっとガッシリしてるよ」
何気なくそう言ったら、
蒼にギロ、と睨まれた。
「クマと比べんな。
アイツが異常なんだよ」
「異常って……ひどい。
自分が小さいからってクマくんのこと悪く言わないでよね」



