早いもので、遊ぶ約束をした土曜日。



準備をして家を出ると、蒼が塀にもたれて家の前で待っていた。



「忘れモンない?」


「たぶん」


「着替えと水着持っただろうな?」


「だ、大丈夫!」



蒼から出た『水着』って言葉に、ピクッと反応してしまう。


いや、変な意味じゃないんだけど!


蒼の前で着ることになるのかなって思うと…ちょっと恥ずかしい。



「鮎川、駅に来るんだっけ?」


「うん」


「じゃ早く駅まで行くぞ」



着替えが入ってるであろう大きなカバンを肩にかけ、蒼が歩き出す。


その後を追いかけると、蒼が急に振り返った。



「荷物、貸せ」