「そんなの、申し訳なさすぎるよ…」
「だったらクマには黙って来る?」
「……だから、行かないって…」
「なんでだよ。
クマを裏切るってなんで?
やましいことがなければ裏切ってなんかないだろ?
ただの友達、幼なじみとして一緒に遊ぶだけ。
それとも柚は、幼なじみの俺と何か起こるのを期待してるわけ?」
ニヤ、と笑う蒼を、キッと睨みつけて。
「なにも期待なんかしてないし!
いいよ、ただの友達だもん。
遊びに行くくらい、行ってやろうじゃん」
まんまと蒼の挑発に乗せられてしまったんだということは、自覚してなかった。
さすがにクマくんに黙って行くのは悪いから
行くことだけはちゃんと伝えよう。
「じゃあ決まりな。
ちなみに泊まりだから」
「……え!!?」
「友達の家の別荘借りんだよ。
宿泊料とかはいらねーよ?」
「いや…そういう心配じゃなくて…!」
「じゃ女一人確保って連絡しとくわ」
「ちょ、ちょっと…!」