「あ、あお…い…?」
「……んー」
気怠げな声を出したくせに、
私を包む腕の力がぎゅっと強くなった。
「な、なに、もう…!」
「……お前のせいで寝不足なんだから、
責任とってされるがままになってろよ」
「……はあ!?」
理不尽!!!
だいたい、『お前のせいで寝不足』ってこっちのセリフ……
…………ん?
「…あ、蒼」
「んだよ」
「私のせいで眠れなかった…の?」
「そうだな」
「……なんで?」
少し体を離して、横たわりながら蒼を見上げる。
そんな私と、視線があうことはなく、
蒼はフン、と鼻を鳴らしてそっぽを向いた。
「……気分わりぃんだよ。
持ち帰る予定だった女を他の男に取られたのが」