「……柚？」
「……え？」
「ごめんね、ちょっと八つ当たりみたいなこと言って…」
蒼よりも身長の高いクマくんが、私の頭を撫でる。
……大きな手。
……蒼よりも。
「……クマくん」
「ん？」
「……ぎゅっ、て、して」
私の言葉に、クマくんはびっくりしながらもぎゅって抱きしめてくれた。
「どうしたの、柚が甘えるなんて珍しい」
「……うん」
クマくんの
大きな体に包まれるのが、心地いい。
でも…
『今日だけ俺の彼女になってよ』
どうして、蒼のことばっかり考えちゃうんだろう。
忘れる、はずだったのに……。
