「この間の喫茶店のことも、
本当は2人で会う約束してたとか?」


「してないよ!
この前のも、今日のも…本当に偶然だよ…」



ぎゅ、と握る手に力を込めると、クマくんが急に立ち止まって。


クマくんの方へ顔を向けると、クマくんのドアップがうつった。



「「いたっ!」」



クマくんの唇が私の唇にぶつかるのと同時に、


歯もぶつかって、2人で口をおさえた。



「ごめん柚、痛かった?」


「ううん、平気」


「ごめんな…キス、全然慣れなくて」



申し訳なさそうに眉を下げて言うクマくん。



……慣れてなくていいのに。


一緒に成長していけばいいのに。



なのに、どうして。




『気持ちよくなってんだ?』



なんで今…蒼のこと思い出すんだろう。