好きになってはいけません。




「じゃあ言う」


「…どうせ言えないじゃん!
ずっと話してなかったくせに言える?」


「言えるよ。
たとえば…」



蒼が頰を掴む手を離すと、


私の髪を耳にかけ、首筋をなぞった。



「ココに“しるし”つけたらさ、
一瞬でバレるよ」


「………は?」


「言ってる意味わかんねぇ?
だったら付けてやろうか?」



笑うでもなく、


私の目を見て逸らさない蒼。


……“ココにしるし”って…


……いや、まさか。



「あ、蒼にそんなことできるの?」


「できる」


「私なんかに…そんなことできるの…?」



キスは誰でも同じかもしれない。


でも…


今までの女の子に、その“しるし”はつけてきたの?