「……まじで、ムカつくな」
「……は?」
「お前こそ、俺のことわかりもしねーのに勝手なこと言ってんじゃねーよ」
ぐっ、と顔が近付いてきて、思わず目を瞑った。
「……拒否しねーの?」
「…ど、どうやって拒否しろと…」
頰を掴まれて、顔もそらせないのに!
「また俺の蹴れば?」
「……蹴られたいの?」
「嫌だけど」
不機嫌な顔は変わらないまま、目を細める。
「……柚は今、俺の彼女なんだよ」
「だから違う…!」
「認めないならクマに言う」
「……勝手にすれば!?」
どうせ言えっこない。中学の時から口きいてなかったんだから。
そうだ。こんな脅し、嘘だ。
騙されない。



